父の誕生日に

先日、数日遅れで父の誕生日のお祝いに、父の好物を沢山作って持っていきました。

母は『持つべきものは娘だね!』と言って茶化して、父の誕生日には何もしなかったようでした。きっと、意地を張って。

父は、母と喧嘩してどうにもならなくなると、ここ数年は私に相談してくる様になりました。

父は、曜日毎にテニス、卓球、陶芸と趣味に勤しんでいるのですが、母は用事がなければずっと家にいるから、

父が私に連れ出してやってくれと言うので、母をあれこれ誘うのですが、色んな理由をつけていつもあまり行きたがらないのです。

よくよく聞いてみると、『お父さんは行くかな』と言っていて…

両親とも仕事が忙しく、私もですが、一緒に出かけるという事をしてこなかったので、なるほどなと思いました。みんな、何か忘れ物を取りに行こうとしているんだな。

『お父さんとお出かけしたいんだよ。前にお母さんが、浴衣を着て夏祭りに行きたかったのに「お父さんが俺は行かないって言ったから行かなかった」って言ってたよ。お父さんが誘ってあげたら出掛けるよ、きっと』

と教えてあげたら、驚いて照れくさそうに笑っていました。

そして先日、父が名古屋に用事があって、一緒に行くかと聞かれて、行くと言ってついて行ったそうで、デパートでお買い物もしたと母が楽しそうに話していました。

いつも喧嘩ばかりしている両親で、なんであんなに喧嘩ばっかりするのに一緒にいるんだと不思議で仕方がなかったのですが

その裏には、分かって欲しいという気持ちがずっとあったからなのかもしれません。

1番近くにいる人だから、分かるはず、やってくれて当たり前。ちょっとしたすれ違いが拗れて、その事に執着してしまって。そんな気持ちもあったのかな。

私は喧嘩ばっかりしている両親を見るのが嫌で、早くに家を出て

大人になってからも、妹や弟の様に実家に頻繁に帰る事はしてきませんでした。

妹や弟は、両親が喧嘩していても、またやってると眺めてグチもさらっと聞き流せられるタイプですが、私はそれができないタイプというのもあって、あまり寄り付けなかったのです。

父が私に相談する様になって、長い間何とかしようとしていたんだなというのが分かって

私も、間を取り持つように両親に関われる様になってきました。

前よりは、少しはましになってきたけれど…これからもまぁ変わらないでしょうけど、ね 。

トムとジェリーみたいに仲良く喧嘩して、ずっと元気で長生きしてね。そんな風に寄り添いつつ相談にのって見守れたらなと思います。

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