心境の変化

母はいつも妹の働くヘアサロンへ行った帰りに、家庭菜園のお野菜やらお土産を渡すだけのためにウチに寄ってお茶も飲まずに帰って行く。時には、私が出掛けていて、玄関先に荷物が置かれている時もある。

連絡してくれればいいのに!と言っても、忘れたーと言って連絡してきた事がこれまで1度もなかったのに、初めて『今度の金曜日13時から行くの』と私に言ってきた。

妹が今の名古屋市名東区のサロンに変わって20年程経って初めての事だった。

私も丁度行きたいと思っていたので、ならばランチをしてから一緒に行こうという事になった。

前々から母を連れて行ってあげたいなと思っていたインテリアが素敵なフレンチデリのレストランを予約して行った。

お料理も一品一品丁寧に作られていて美味しく、綺麗な物が好きな母なので、お店の雰囲気もきっと気にいるだろうというのもあるし

旬の素材を活かした身体に優しい美味しいお料理で、家庭菜園のお野菜を料理するヒントもいっぱいだから、きっとお料理が楽しくなるんじゃないかなと思って。

食事をしながら話をしていると、

父が新しくできた豊田博物館に行きたいというから今度行く、とか

父と一緒に行こうと寄席のチケットを買った、とか

聞いた事のない事を言って、驚いた。

そして、公開が始まったばかりの山田洋次監督の『TOKYOタクシー』が観たいけど、私は観たい?と。

今年の母の日に、映画とお食事をプレゼントをしたけど、母から映画に誘われたのは初めて。子どもの頃も、遊びには父が連れて行ってくれて、母とは数える程しか遊びに行った記憶がない。

これまでは、お仕事やら色んなやらなくてはいけないと思い込んでいた責務で疲れ果てていたんだろうな。休みの日は、頭が痛い、私の事は放っておいて。そんな事をいつも言っていた。

デザートの頃には、『お父さんが、たまには夜に〇〇が食べたいって言ってたから、今度あれを入れてみよう』なんてお夕飯のヒントも見つけた様でした。

やっと癒されたんだな。これからは、楽しく好きなことを沢山してほしいし、父と楽しく過ごして欲しい。父の管轄外なら、私や妹も喜んで付き合いますよ。俺は興味がない!と一刀両断される事も沢山あるだろうからね笑

お母さんが幸せに笑っている

子どもはその為に生まれてきたのよ。

人間関係の始まりは母子の関係。そこから世界が広がって行く土台となる、1番大切な人間関係。

母はその日の前日に、祖母の遺品整理を姉妹でやったそうで、色々感じた事があった様でした。

自分の中の足りないものはそこに隠されていて、その足りないものを自分で認めて満たし整えようとする。

それがこれからの人生を愉しむスタートなのかもしれないな、なんて事を思いました。

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